合わせ目消し
プラモデルは複数のパーツを組み合わせる……という性質上、デザインには存在しない線。合わせ目が発生することがあります。ロボットなどはディテールとして処理されていることもありますが、人を模したモノの場合は、合わせ目が多く発生しがちです。
合わせ目消しに使える道具は多くありますが、手法としては大まかに2種類。
- プラモデルを溶かし、一体化させる方法
- 断面にプラスチックを溶かすスチロール系接着剤などを塗り、1~2分ほど待ちます……すると溶けてくるので、パーツを「全力」で合わせます。すると、組み合わさった溶けた断面から「ムニュ」と溶けたプラスチックが盛り上がってきます。
- 隙間が大きい場合は使えず、硬化時間も1~2日と長めですが、上手くいった場合は成型色のまま合わせ目消しが可能。塗装を行いたくない場合にオススメな方法です。
- 瞬間接着剤を盛り・削る方法
- 瞬間接着剤を盛って削ることで合わせ目を消す方法です。見た目の合わせ目は残りますが、上記の手法にくらべてスピーディーに合わせ目を消すことが可能です。
- また、隙間が大きい場合も埋めやすく使える場面の多い方法。見た目の合わせ目が残るのが難点ですが、塗装をする場合は問題にはなりません。
合わせ目消しで使用した道具
- タミヤ リモネンセメント (流し込みタイプ)
- タミヤ イージーサンディング
- 240番のスポンジヤスリ
- アルティマ5
プラスチックを溶かし、一体化させる方法
株式会社タミヤのプラスチックを溶かすリモネン系接着剤。「タミヤ リモネンセメント (流し込みタイプ)」を使い、合わせ目消しを行います。換気は必要ではございますが、溶剤臭の代わりにこたつが恋しくなる柑橘類の香りがする接着剤です。
合わせ目を消したいパーツを組み合わせ、「ごくごく薄い隙間」を開けます。その後、「タミヤ リモネンセメント (流し込みタイプ)」を流し込み、1分ほど待ったら……
全力で、力いっぱい圧着します。
この方法はプラスチックを溶かし、一体化させることから立体的な合わせ目のみならず、見た目の合わせ目を消すことが可能です。しかし、プラスチックに透明感があったり、メタリックであったりすると、色の濃さが変わる。そして……
隙間が広いとそもそもの「ムニュ」が起こらず、合わせ目が消えません!すべてではございませんが、ムニュとならなかった場所もあったので……プランBへ行きましょう。
瞬間接着剤を盛り・削る方法
株式会社タミヤの瞬間接着剤「イージーサンディング」を使い、合わせ目消しを行います。「イージーサンディング」は硬化するまでの時間が短い瞬間接着剤。そして硬化後の硬度がプラスチックに近く、加工の行いやすい瞬間接着剤です。
こちらの手法の良いところは、スピーディーに進むこと。そして上記の「ムニュ」方式では消せない合わせ目も消せること。しかし、問題点もあります……
見た目の合わせ目は残ります
立体的な合わせ目は消えますが、見た目の合わせ目は残ります。なので塗装を行う場合にオススメな方法です!
曲面が多い時はスポンジヤスリがオススメ
「ムニュ」方式、瞬間接着剤方式でもヤスリ掛けは必要です。番手に関しては好みがありますが、曲面が多い場合は「スポンジヤスリ」がおすすめです。よく使用するのは株式会社ゴッドハンドの神ヤス!から240番。
スポンジヤスリであることから曲面に向いたヤスリ。そして耐久性も高く「電動ヤスリ」を使う場合にもオススメ。最初から裏面に両面テープが貼られているモノもあり、電動ヤスリを使う方にはこちらをオススメします。
電動ヤスリでスピーディーにヤスリ掛け
私の使っている電動ヤスリはアルゴファイルジャパン株式会社の「アルティマ5」。ヘッド部分は前後に動くタイプであり、速度調整も「アルティマ5」のみで完結。ヤスリ掛けを早く進めたい……早く塗装に進みたい……場合にオススメな電動ヤスリです!
塗装
アクリル絵具を筆で塗装していきます。創彩少女庭園の「佐伯 リツカ【聖アイリス女学園高等部・夏服】」では部分塗装に留めていますが、それでも効果は大きめ。細かい作業ですが、進めて行きましょう!
塗装に使用した道具
- ターナー色彩 U-35 ACRYLICS 各色
- ターナー色彩 グレージングメディウム
- ぺんてる ネオセーブル 平筆14号
- ぺんてる ネオセーブル 丸筆0号
ターナー色彩株式会社のアクリル絵具「U-35 ACRYLICS」を選択。水溶性でヘビーボディ。筆塗りに適した絵具であり、臭いは少なめ。梅雨時の換気が難しいときでも使いやすく、お気に入りの絵具です。
- 塗膜の強さはアクリルガッシュよりも強く、株式会社GSIクレオスの「水性ホビーカラー」と同じくらいです。
- 意図しない場所へ塗ってしまった場合は、キッチン用のマジックリンなどで落とすことが可能です。とはいえ時間が経つと難しいこと。そして服などの浸透性の高いモノに関しては完全に落とすことは難しいです。
※あくまでも個人の感覚です。参考程度に捉えてください。
成型色とまったく同じ色を作るのは難しいもの……近似の色が作れても境界線が見えてしまうことはあります。そういうときに使うのが「グレージングメディウム」。本来はグラデーションなどの表現を行うときに使うメディウムですが……
透明性が増し、伸びが良くなることで境界線を目立たなくすることが可能です。
筆はぺんてる株式会社の「ネオセーブル」を選択。合わせ目消しに失敗し、変色した場所など面積が広めの場所には「平筆14号」を使い……
指の爪・シャツのボタン・リュックの金具・三つ編みのリボンには「丸筆0号」を使います。
部分塗装を行ったパーツ
- 指の爪
- シャツのボタン
- リュックの金具
- 三つ編みのリボン
- 合わせ目消しに失敗し、変色した場所
以上5つの部分塗装が終わりました!面積としては狭いですが効果が大きい部分塗装。楽しい工程であり頭が疲れる工程でもあります。楽しい楽しいとガンガン進むとオバヒ(オーバーヒート)しがちなので、適度に休みつつ進めましょう!(ブーメラン)
トップコート
塗膜・作品の保護。そして質感を決めるトップコート。同じ意味の言葉として「仕上げ塗装」とも呼ばれる工程です。
この工程を終えたときは達成感を感じます……まだ組み立てがありますがネ。
トップコートで使用した道具
- ターナー色彩 マットバーニッシュ
- タミヤ スプレーワーク ベーシックコンプレッサー (エアーブラシ付き)
仕上げ材はターナー色彩株式会社のU-35 ACRYLICSシリーズに含まれるマットバーニッシュを使います。つや消しの質感で乾燥前は水に溶ける水溶性。乾燥後は耐水性へと変化する仕上げ材です。
水で薄めすぎると接着力が自重に耐え切れず、垂れてしまいますが……約20%までの水で薄めて使用することが可能です。コンプレッサーのエア圧。エアブラシの口径によって調整することが可能です。
使用しているエアブラシは「スプレーワーク ベーシックコンプレッサー (エアーブラシ付き)」。トリガー式のエアブラシで直感的に扱いやすいのが特徴。しかし、電源が別売りなのが難点です。エア圧・口径の参考にドウゾ。
エアブラシで塗装する手順
- マットバーニッシュをカップに入れる
- スポイトなどで水を追加する
- 「うがい」を10秒ほど行い、混ぜる
- 塗装開始
もしも吹けないようであれば、2番に戻ります。どの塗料にも言えますが、薄めすぎると垂れやすくなります。状態を見つつ、適度に調整しましょう。
私の環境では水で薄める必要がありますが、コンプレッサーやエアブラシの口径によっては薄める必要がない場合もあります。ご自分の環境に合わせて、臨機応変に調整しましょう。
エアブラシで塗装した場合のメリット
- 早い
- 均一に塗りやすい
株式会社ターナー色彩のマットバーニッシュは筆でも塗装できますが、筆で塗装する恩恵……メリットが少ない工程でした。出来上がりに差がでないのであれば、スピーディーに進めたいもの。スプレー塗装のメリットが大きめな工程ですね。
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